データ保存の技術は年々微細化を繰り返し、着実に性能を上げています。ムーアの法則として有名ですね。技術開発の方々は称賛されるべきだと思います。
今回は、その限界点ではないかと予想される原子に焦点を当てます。
その限界点、原子1つ1つを動かすことで作られた世界最小の映画 「A Boy and His Atom」を紹介します。
簡単に見えますが、原子1つ1つと考えると本当にえらいところまで来てしまったなあと思います。
どうやって作ってるの?
走査型トンネル顕微鏡(STM)を使って原子を動かしています。
方法と原理
STMの針を原子に近づけます。
すると、針と原子は接触はしていませんが、微量の電流が流れる距離が存在します。
それを付近全体に行うと、原子の電子分布の凹凸が見えます。
(原子の凹凸などは見えないようです。原子には電子が周りにあるので不可能かと。)
表面に吸着した分子の振動などを励起したり、分子の結合をきったりすることも可能なことが知られています。
それで原子を動かしているわけです。
そんなこと言われてもわからない\(^o^)/・・・確かにそうかもしれません。
方法と原理(簡単バージョン)
ある建物があります。
その建物の壁からちょうど1m離れて、建物の周りを歩きます。
歩いた軌跡を描くと建物の周囲の外形の凹凸が分かります。
これと同じ原理で原子の凹凸を見ているわけです。
疑問
「針の先端を原子にそって計測すれば?」という疑問があると思います。
針の先端か原子(試料)が壊れてしまうためできないようです。何しろ原子の世界なので、少しの力で破壊されます。
付加情報
STM開発者のゲルト・ビーニッヒ氏とハインリッヒ・ローラー氏は、1986年のノーベル物理学賞を獲得しています。
技術の限界点は?
1.微細化
このまま進むと思います。
問題は微細化し過ぎると加工する機械の購入金額が利益を超えてしまう可能性があります。(半導体が陥りそうです)
2.自己組織化
「ある条件を揃えた溶液に所定の物質を入れると、自動的に分子が配位して目的のものができる」技術、自己組織化を使うと、消費電力・エネルギー量が激減します。
問題点は「条件」がシビアすぎること。少しでも変わると目的外の物ができます。
3.原子
原子1つ1つを動かすことは技術的に可能です。データ容量も非常に増えることが予想されます。
しかし、原子1つ1つを移動させるのに時間がかかりすぎるので現実的ではありません。
まとめ
1998年のWindows98搭載機が40MBのHDDで動いており、2013年のWindows7搭載機が4TBのHDDで動いています。
15年でなんと容量10万倍!(1年あたり2.1544倍!)
外付けHDDだと2TBで1万円くらいであります。
日本語(2バイト文字)で言えば、1兆文字分・・・?わけがわかりませんね。
個人で使うには多すぎる気もしますね!
でも、データ容量はまだまだ行けそうなのでどうなることやら。
現実世界自体の保存やリアルグーグルマップ(そこに居るように映像を共有すること)ができるかもしれません。
参考
IBMの世界最先端ナノテクノロジーが拓く記憶装置の未来
原子 – Wikipedia